後輩なんて本気になりません!



「ちょっとぉ!矢口と丸井さんが
一緒に帰ってたけど?」


「うん」


「うんってぇ あんた!
謝ったんじゃないの?」


「謝るチャンスがなかったというか
まぁ 仕方ないよね」


「矢口がお持ち帰りされちゃったりして」


恵が言うのは
お酒を飲まされて記憶をなくしてる間に
襲われたと嘘をついて
まとわりつく女っているよね
まさしく丸井さんって
そんなタイプじゃない?
と怖いことを言い出す。


「それはないしでしょ」


うん?あたしと龍馬も似たようなことが
起きたばかり。


あたしと龍馬
本当はやってないのかな?
龍馬に嘘つかれてるのかな?


「何よ!急に黙り込んで」


「あたしと龍馬もそうかな?
とか思って
本当はやってないのかな?とか」


「本当に記憶がないの?
薄っすらとか感触があるとか」


あったよ
すごく暖かく心地よく
幸せな気分にだった・・・と思う。


「夢なのか現実だったのか
わかんない」


「今そんなこと言ってる場合じゃなくて
早く行きなよ!」


「で・でも・・・」


「もー!あんたは!!!
子供か?
後でネチネチ思うより
行動をしなさい!行くよ!」


腕を掴まれ2人の後を
追うことになったが
どのお店に行ったのか
あたしは知らない。


恵は「まだその辺りにいるでしょ
後をつけて 偶然を装って
同じお店に入ればいいんじゃない?」


「そのあとは?」


「成り行きに任せるのよ」


「そんなぁ〜」


計画性のない恵と
やる気のないあたし。


だが
2人の姿はもう無かったのだ。



< 70 / 87 >

この作品をシェア

pagetop