後輩なんて本気になりません!


「あっ・・・」
レタスを取る手が止まった。


向こうも「あっ・・・」
と行動が止まってる。


その相手は彩乃と俊哉だったのだ。


別れてまだそんなに経ってない
だが・・・ツーショット場面を見ても
何とも思わない
気まずいだけ。


だからさっさ席へと帰ろうと
2人の前を無視して
お皿にサラダを盛っていた。


「陽菜ちょっといいか?」
俊哉に呼び止められた。


嘘でしょ?
彩乃の前で呼び止めるのやめてよ!


それでも無視してドレッシングを
かけるあたし。


「おい!」


それでも無視。


すると恵があたしたちの様子を見て
不信に思ったようで
「どうしたの?」と横へ来た。


「あ・・・なんでもないよ
行こっ!」


それでも無視を続けるあたしに
今度は彩乃の方が
「はるなっ!あっ!あのね」
と口を開いた。


そして付け加えるように
「こいつがさ
陽菜に心にもない嫌なことを
言ってしまった!って悩んでんだ
何を言ったかは言わないんだけどさ」
と俊哉が。


言えないだろうね
あれだけ鬼の形相で
【友達やめる!】
【結婚式に来ないで!】
って言ったとか。


「あっそう
別に気にしてないから」


黙って聞いていた恵が
「あ〜この子のこと?
結婚式来るなとか
友達やめるとか言ったって子!
ふーん可愛い顔をして
言うことは言うのね!」
と 暴露した。


「彩乃?そんなこと言ったわけ?」


「だから あの時は・・・カッ!と」


「もういいから
恵!行くよ!」


恵を置き去りにさっと席へと
1人で帰ったのだった。


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