後輩なんて本気になりません!


待って!なぜあたしが帰る?
好きだ好きだと【好き】の
安売りかのように連発して
あたしを本気にさせといて
彼女ができた途端
もう先輩のこと諦めましたから?
それなら初めから好きって言うな!
色々考えていると
ムカついて来て
あたしはもう一度お店に戻った。


席に座って超美味しいとか言うカクテル?
を隆さんに作ってもらったのか
淡い水色のカクテルを
グイッと一気に飲んでる龍馬の姿が
目に入った。


「はぁ〜ウメっ!!!」


何 くつろいでるわけ?
こっちはズタズタな気持ちなのに
自分はカクテルぐい飲み?


ウーロンハイを飲んで
少し酔いも回ってるあたしは
「ちょっと!!!」
と そのグラスを取り上げた。


「あ・・・先輩
忘れ物ですか?」


「なんであたしが帰らないといけないの?」


「なんでと言われても・・・
先輩が帰ると言ったんじゃないんですか!」


「嫌われついでに一言言わせてもらうわ
あんたね!女だったら誰でもいいわけ?」


「はぁ?言ってる意味わかりませんけど?」


「あっちにいい顔
こっちにいい顔 何なのアンタ!」


「ますますわかりませんけど?
あっち?こっち?
どことどこです?」


通じない会話に隆さんが
そう興奮しないでここはお店だから
声のトーン落とそうよと
あたしたちを止めた。


「先輩酔ってるんですか?」


「酔ってません!
ウーロンハイ一杯や二杯では
酔うわけないでしょ」


「隆!何か入れたか?」


「あたしっ??あたしのせいにする?」


「めんどくさー
急に女に変わんなよ」


「ふふふ」


隆さんは笑うだけ
でも急に口調が女に変化したものだから
あたしも少し笑いそうになり
カッ!としてた怒りは
ほんの少し落ち着いたのだった。








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