はやく気づけ、バカ。
...まず昨日、
初めて真島さんに会ったのはエレベーターの中で、
そのあと桐谷くんに告白まがいを受けて、
その最中にまた真島さんに会って。
そしてそのあと桐谷くんに”あきらめない宣言(?)”をされて、
帰ったらなんとお隣さんが真島さんになっていたーーという。
偶然にしても、重なりすぎな一日だと思った。
客観的に見ても、主観的に見ても。
(もしかしたら人生で一番のモテ期かもしれない)
素直にそう思った。だって、わが社の王子様の真島さんがお隣さんにいて、真島さんほどではないけど人気な桐谷くんから告白まがいをされて。
(...すごいなぁ。)
そこまで考え終わると、次は今日を振り返ってみる。
朝、たまたま真島さんと電車いっしょして。
一緒に出社なんてしたらとんでもないことになる、と思って待ったら待ったで桐谷くんに会って。
出社したら出社したで、今朝のことで尋問受けて。
その尋問の後には桐谷くんに口説かれて(?)、
長野さんと彼女さんのネックレスを選びにいったかえりには桐谷くんの話題が出て、
いざ駅で別れて解放されたと思ったら、今度は真島さん!
今日の二の舞を避けたら避けたで真島さんの顔に泥を塗ったような気分になって悩まされて
...ってなんで私が真島さんのことで悩まないといけないんだろう!と、ふと思う。
もし、昨日が偶然の塊だったなら今日は必然の塊だったのかもしれない。
私が気づいていなかっただけで、毎日が少しずつ積み重なったことによって引き起こされた”必然”なのかもしれない。
...何故だか、そう思った。 すべてがすべて、そんなわけがないんだろう思うけれど。
しかしまあ、こうやって昨日、今日の二日間を振り返ると濃すぎた。
例えるなら普段は二倍濃縮のめんつゆが5倍...いや6倍くらいの濃さだ。...素麺(そうめん)につけようと思っても濃すぎてむせるくらいだろうなあとか思う。
「そりゃ、久しぶりにも感じるよ...。」
誰にも聞こえるはずもない私の独り言が、ぽつんと宙に浮かんだ。