はやく気づけ、バカ。




聞こえてきた桐谷くんの声に、

(またか...)

と内心ため息をつく。いや、内心じゃないかもしれない。今、無意識にため息をついてたかも。


桐谷くんにお昼を誘われるようになったのは、長野さんとのデートの次の日から。
週に2,3回ほど誘われるようになっていた。

初めの一回目、二回目は「ごめんね、一緒に食べる人がいるから。」と断っていたが、流石にもう断れない。

(第一...)
一緒に食べる人がいるから、っていうのも嘘だしなあ、と心の中でまたため息をつく。



< 103 / 139 >

この作品をシェア

pagetop