はやく気づけ、バカ。



そう考えてこんでいると、「甘利先輩...だめですか?」と桐谷くんが更に追い打ちをかけた。

そう言う桐谷くんはまるでご主人さまに叱られたワンちゃんのようにシュン...としているように見える。


「...う、...。」
こういう顔に私は弱い。
なんだか、私が悪いことをしてるみたいに感じるからだ。

言葉を詰まらせていると、こことばかりに更に追い打ちをかけていく桐谷くん。
「だめ、ですか...?」

(そんなキラキラした目で...)
子供みたいな瞳で見つめないでほしい、と思う。



「...いいよ、一緒に食べようか。」
...ついに今日、誘われて6.7回目(多分6回目)にして桐谷くんに負けた。


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