はやく気づけ、バカ。
(うそ...!真島さん...!?)
―――そう、目の前のエレベーターの中には真島さんと尚且つ...
(...リーダー格のお姉さま、まで...)
驚いたのはお姉さまのほうも同じようで。
目が合った瞬間、少しだけ顔がゆがんでしまったが、すぐにいつも通りに戻した。
だけれど、あまりにも目の前の光景に驚き過ぎて、30秒ほど固まっているとすでにエレベーターに乗り込んだ桐谷くんに「先輩?のらないんですか?」と声を掛けられた。
その声にハッとする。
(...どうしよう。)
そう思うと、頭の中で考えを巡らす。
(真島さんに会釈だけでもするべきか、いやでもここで何か反応すればお姉さまにまた呼び出されるかもしれない...。)
そう考えると、あの尋問の時の恐怖を恐怖を思い出した。