はやく気づけ、バカ。




オーダーを終えてからも会話が途切れることはない。


誘われた時はどうやって断ろう、とうんざりしたけれど、桐谷くんはすごい気さくで話しやすい。
実際こうやって二人でどこかに行くっていうのは悪くはないな、と思った。


(あ、聞くなら今だ。)
そういえば、と切り出して気になっていたことを聞きだしてみる。

「どうして急に、...その、」
いざ、それを口に出してみると、結構恥ずかしい。自分に自信満々の人みたいに感じる。


私が何を言いたいのを察したのか、桐谷くんが言葉を続けてくれた。


「アピールが積極的になったのか、ですか?」

「!...そう。」

(どうしてわかったんだろう...)


前から、思っていたけど桐谷くんは雰囲気とかから状況を察したり、その人がなんて言いたいのかを察することが上手だ。


「あの...それは、」

「うん?」
返答してくれてる桐谷くんの顔は、気のせいかほんの少し赤い。





< 115 / 139 >

この作品をシェア

pagetop