はやく気づけ、バカ。
「恥ずかしいんですけど、...長野さんに嫉妬して。」
「うん!?」
頬が少し赤い時点で、なんとなく答えは察していた...気がするけど、それでもその桐谷くんの答えに驚く。
そうすると桐谷くんは恥ずかしそうに右手で目の所を覆った。
「あ~...、あの、気にしないでください。」
そう言う桐谷くんは恥ずかしそうに見える。
「...えっと、...うん...。」
(気にするなって言うほうが無理じゃ...?!)
慣れなさすぎるこういう状況に、私も私で頬がずっと熱い。
(...この無言どうしよう...)
と困っていた時にまたまたタイミングよく、店員さんが「お待たせしました~、たまごサンドのAセットです。」とテーブルの上にそれを置いた。
「あ、ありがとうございます。」
といつもの癖でそう店員さんにお礼を言うと、
「ありがとうございます。」
と、桐谷くんも店員さんにお礼を言っていた。そして、やっとここで長かった(?)沈黙が終わりを告げた。
「さ、食べよっか!」
今までの会話をすべて帳消しにするようにそう明るく言うと、桐谷くんも「そうですね、いただきましょう。」と言い、二人の昼食を始めた。