はやく気づけ、バカ。
でも誰かを恋愛的に好きになったことがなかった。
まず、人に興味がなかった。もともと自分を好いてくれている人に。
どうせ結婚とかもせずに生涯を終えるんだろうなあ、とか思ってた。
ーー甘利さんに出会うまでは。
初めて好きになった。
自分のものに、俺だけを見てほしいと思った。
から、こうやってアタックしてるわけなんだけど...。
黙ったままの甘利さん。
このままだとまた前回みたいに適当に交わされる。
なら、その前に。
「甘利先輩...だめですか?」
先手必勝。
初めて自分からアタックなんてするから、どうやればいいんだろうと考えた俺はまず、
甘利さんと仲良くなることにした。
こうやって、ランチを誘えるくらいの仲。話してて苦痛に感じないくらいにの仲に。
初めは普段と同じような態度でやっていこうと思っていたけど、それはやめた。
一目見て、わかったから。
...甘利さん、そういう人苦手そうだって。
だからこうやって猫被ってるわけなんだけど、
「...う、...。」
ほら、効果てきめん。