はやく気づけ、バカ。
何もかもがラッキーだったな。
まさか今日、やっと一緒にお昼することになってエレベーターに乗ると真島さんと黒崎さん。
黒崎さんにとってもこれは悪い状況じゃないはずだし、俺にとっては最高の状況だ。
真島さんは最悪の心境だろうけど。
エレベーターを降りて、少し立ち止まりそう考え込んでいると「早く行こう!」と菜緒さんが俺の腕をひいた。
はやくこの場から立ち去りたいんだろうけど、
それも俺にとっては嬉しい誤算だ。
「菜緒先輩、じつは俺とお昼食べるの少し楽しみですか?」
また少し嬉しそうに微笑みながらそういうと、
「え、あ、うんそうだけどそうじゃないよ!」
と意味が分からない返答をした菜緒さん。
その表情は少し照れているのが分かり、それが更に俺の心を刺激する。
あーあ、いま真島さんどんな顔してんのかな。
それを直接確認できないのは残念だが、想像するだけで俺の心は十分に満たされるのを感じた。
はやく、俺のものになってくれないかなぁ菜緒さん。
真島さんなんかより...さ?
そう心の中で呟くと、頬が緩んだのを感じた。