はやく気づけ、バカ。
どうしてこうなったのか、思い出してみようと思う。
アニメとかでよくある、いわゆる回想シーンだ。
* * *
桐谷くんとのランチを済ませた後、私たちはいつも通り仕事をして、
その次の日も普通に仕事をして。
あぁでもそういえば、桐谷くんのアピールが前日よりもマシだったかもしれない。
これは変化だ。
...いや、それはおいておいて。
前日、前々日を思い返してそして今日。
いつも通り、朝起きて髪の毛をセットして薄めのメイクをして家を出て。
朝も帰りも、真島さんには会わないように気を付けて。
やっと家に帰って夕食をとって、お風呂も済ませた11時。
珍しくピンポーン、と音が部屋に響いた。