はやく気づけ、バカ。




少しだけ、いつもの完璧フェイスを崩して言う真島さんの言葉に、耳を疑った。

(どういうこと...!?)

理解ができない言葉、いや厳密には意味は分かるが “何故なのか” が理解できない言葉に、頭はショート寸前だ。


「っていうのは冗談で。少し、時間をつぶしたいんです。」


顔が真っ赤になりつつある状況で聞こえてきたその言葉に、ほんの少しの殺意とそりゃそうだという納得のようなものが私の心に侵食した。


「...はぁ。」


依然、 “どうして私なのか” という質問の答えは得られていない。
少し、不自然だった真島さんの表情はいつも通りに戻っている。


(...どっちにしても、どうして私なんだろう。)
一番私が気になっている謎。

( “どうして私なんですか?” なんて本人に聞くと、自意識過剰に思われそうだし...。)


うーん、と頭をひねらせていると真島さんが何かを続けて言ったようだった。




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