はやく気づけ、バカ。
「う〜ん…これは…う〜ん…。」
手当たり次第に自分に合わせながら、頭の中でイメージを思い浮かべて思案する。
(ばっちりおしゃれして、真島さんに気があるとか思われるのも…)
嫌だしな、
ポツリ、と心の中で溢れた。
どうして嫌だと思ったのかはわからない。
だけど、
なんだかそう思われるのは悔しい気がした。
けれどその考えはすぐさま自分自身に否定される。
(…いや、真島さんがそんなこと思うわけもないか。)
ーーあの、真島さんがそんなことを思うはずもない。
そう思うと、なぜ彼が私を誘ったのか理解ができた気がした。
「きっと…」
(都合のいい人が他にいなかったのね。)
現に私は真島さんを全く意識していないし、もっと言うなら彼はある意味"対象外"だから。