はやく気づけ、バカ。





靴、バッグ、メイク髪の毛などの身支度を済ませ、最後にもう一度全身鏡の前にたつ。


「…大丈夫…!」

鏡に映って見えるのは、淡いピンクの膝丈ワンピースを着て、全体的にふわっとした雰囲気の私。


普段の私からは想像できないような姿だ。メイクも髪の毛も、なんとなく頑張ってしまった。


(たぶん、マシにはなったはず…!)

一度、くるっと回ってみる。
鏡に映っている私が、私ではないようで、なんだか面白くなってきた。


(そういえば、初めてかも…。)
ふと、考えてみる。


そうすると、よくよく考えてみれば。
今日のようにおしゃれに力を入れたことは無かったような気がする。


(おしゃれって、楽しいんだなぁ…。)


おしゃれ。頑張った分だけ、可愛く、綺麗になれる魔法だ。

今日、やっと私はおしゃれに目覚めたのかもしれない。


うんうん、とひとりでにうなづいていると待ち合わせの時間を思い出し、頭の中から時計へと意識を移した。


時刻を確認すると、12時03分。



「急がなきゃ!」


待ち合わせの時間が迫っていることに、慌ただしく玄関のドアを開けると急いで駅へと向かった。



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