はやく気づけ、バカ。
誰かが私のことを待ってくれているわけでもないが、
昔の習慣からか、ただいま、という癖が抜けない。
部屋に入り、きちんとドアの鍵を閉めたのを確認すると、伸びをしながら一言。
「んん~、疲れたぁ~。」
...これが、私の一番のリラックスだ。
誰にも見られることない自分の部屋で、スーツを着たままだらしなく伸びをする...。
そう考えると、なぜだかスーツを早く脱がなければ、という使命感にかられる。
「スーツ、脱ごう...。それからお風呂入ろう...。」
そうまた独り言を言い、スーツをハンガーにかけると、お風呂場へと行った。