はやく気づけ、バカ。
そう思い、その資料がおかれているデスクの近くの椅子に腰を掛ける。
「さ、桐谷くんのこと待とうかな。」
そう独り言をつぶやいて、スマホを取り出した。
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「あっ、甘利先輩!」
そういう少し低い声が聞こえた、ドアの方を見てみると、
まだあるの!?というくらいの資料を抱えた桐谷くんがいた。
「え、桐谷くん!?」
その姿に驚きを隠せず、桐谷くんに近寄り、「私も半分もつよ、かして。」と言い、
「え、いやいやいいですよ!!!」といい断る桐谷くんから半ば強引に資料をもぎ取った。
「...すみません。」
すると、後ろからポツリと申し訳なさそうな声が聞こえ、
「気にしないでいいよ、桐谷くんのこと待つんじゃなくて私も資料室に向かえばよかったね、ごめんね。」
と、いうと「全然大丈夫です!!」と今度は食い気味に桐谷くんが言う。