はやく気づけ、バカ。
「ーーこちらの会議室14時から使わせて頂く予定なんですが。」
冷たい、まるで氷のような声でそう私たちに告げる。
(_今朝と別人みたいだ。)
「あ、すみません、すぐ出ます。」
そう口早に目の前の彼に告げると、私と桐谷くんは急いで山のような資料を持ち、急いで席を立つ。
ドアの近くまで行くと、当然だけどあのイケメンと距離が近くなる。
「すみません、使ってください。」
一応もう一度顔を見て謝ると、「いえいえ、気にしないで大丈夫ですよ。」
と今度はさっきと違い、優しい声でニコリと笑って言った。
その変わりように少し目を見張った。
(...不思議な人だな。)
__そして、ただ素直にそう思った。