はやく気づけ、バカ。


急いで会議室から立ち去り、総務部の自分のデスクに桐谷君が持ってきた資料をどさり、とおく。

「...あの、先輩。」

と、後ろから桐谷くんの声が聞こえ振り向くと、

そこにはなんだかご主人様に叱られた犬のようにしょんぼりとした桐谷くんがいて、

「さっきは本当にすみませんでした...。

...でも、忘れないでください!さっき言ったこと。」


パッとこちらを見つめ、しっかりとそういうと、桐谷くんは自分のデスクに戻っていった。



「...まじか...。」


心の中で、嵐の予感を感じ取ったのと同時に、私のお昼休みは幕を閉じたのだったーーー


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