はやく気づけ、バカ。
*真のイケメン と 桐谷くん
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ピピピピ、ピピピピ と iPhoneに掛けたアラームが横でなっている。
「んん〜〜……」と声を出しながら、手探りでiPhoneを探し、STOPボタンを押す。
「ね、眠い……まだ寝たいぃ…。」
叶うわけもない願望を口に出すだけ出し、ゴシゴシと目を擦りiPhoneのホーム画面を見る。
ホーム画面に表示されている時計は8時20分と示している。
それを見た途端、サーーッ…と背中が凍えるような悪寒を感じた。
「うわぁあ!もうこんな時間...!
急がないと!!」
バッとベッドから立ち上がると急いでスーツに着替え、コテのスイッチを入れ、メイクをする間に温める。
ナチュラルな薄〜いメイクの仕上げに、ほんのりピンクのリップを塗り終わると、次は髪の毛に移る。
髪の毛全体にサッと一回コテを通し、ストレートにすると、次は髪の毛の上部を掴み、後ろで桜いろのクリップで留め、ハーフアップに結ぶ。
そして残った下部の髪の毛を少しくるんと内巻きにすると…
「完成…!」
ガタッ、とドレッサーの椅子から立ち上がり、急いでジャケットとカバンを持ち、玄関へと向かう。
ヒールのある靴を慣れた手つきで履き、
ガチャリと玄関をあけ、少し小走りでエレベーターに向かう。
カチッ!っとエレベーターの下りボタンを押す。
エレベーターを待つ間、心の中で独り言。
(あああ...今日は早めにいって、昨日の消化できなかった分をしなきゃいけないのに...)
そうやって少し落ち込むと、
(...昨日は、いつものメール来なかったし。)
と、全然関係のないことまで、思い出してしまった。
__そう、昨日 いつもくる宛名のないメールが来なかった。
(...まあ、そんな気にするようなことでもない、はずなんだけど。)