はやく気づけ、バカ。


そう思っている間にも、ガタンゴトン、と揺れる電車が少しずつ減速していく。

そして、列車がホームが見えた、と思ったらすぐ後に電車は止まり、

プシューという音とともにドアが開くと、私たちを含むあふれんばかりの人が駅を降りはじめる。

「ぅわっ...!?」

そんな人々に揉みくちゃにされそうになりながらも、

真島さんがまるでエスコートのように私の前を歩いてくれたおかげで、なんとか電車を降りることができた。



< 54 / 139 >

この作品をシェア

pagetop