はやく気づけ、バカ。



(...さて、どうしよう。)

このまますぐに改札に向かうと、もしかしたら真島さんと鉢合わせになるかもしれない。

だってあの真島さんよ?


あの、優しい真のイケメンこと真島さん。初めて真島さんに会ったエレベーターの時もそうだし、さっきの電車でもそうだけど...

真島さん、本当に優しい。ジェントルマン、これぞ真のイケメンだよ。

(...まあ私がそう勝手に思っているだけだけど。)

まあとにかく言いたいことはあの真島さんなら、改札の前で待ってる。なんてことがありうるかもしれないってことだ。

(...流石にないかな?)

顎に手を当て紋々と一人、考える。


(...一応5分待とうか。)


うん、と頷き、それがいいね、と一人呟いた。

(どうしようかな...5分くらい待てるけど暇だし...あ!)

そうだ、とホームを上がったところに、美味しいと同僚の女の子たちが言っていたパンやさんがあることを思いだした。


(前から気になってたし、ちょうどいいや。お昼ご飯に買いに行こう!)

目的が決定すると、すぐに階段のほうへと足を進める。




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