はやく気づけ、バカ。
上段の一番左には、
ふわふわっとしているように見える生地の上に卵が載せられて、トースターで焼いたようで半焼けの卵が輝いているパンたち。
その隣には、
ねじれているような形をしているフランスパンに、ベーコンとエビ絡むように乗せられているパンたち。
今度は逆に上段の一番右には、
さくっとしたパイ生地にチョコレートが掛けられ、さらにその上にアーモンドが乗せられているパンたち。
またその隣には、
オーソドックスな、(私の)手のひらサイズのメロンパン。
そしてメロンパンのちょうど真下の位置には、
チュロスがハートのように形とられていて、これまたその上にチョコレートが掛けられているパン...。
(あぁあ...っ!)
このショーケースの中はまるで...
「パンの宝石の宝箱や~!」
...と叫びたいほどパンたちがキラキラと輝いていて、どれを買おうか迷うほどだ。
(...うん、これにしよう。)
だが、あんまり長いこと悩んでいるほどの時間もないので、
中から半熟卵が乗っているパンと、パイ生地にチョコレートが掛けられているパンを選び、後ろ髪を惹かれる思いでそのパン屋さんを後にした。