はやく気づけ、バカ。
そもそも、なぜこんなことになったんだろう、と思い返してみる。
* * *
やっと午前の仕事が終わり、お昼ご飯を食堂に食べに行こうと気分よく歩いていた時、
「...あなた、ちょっといいかしら?」
すれ違う寸前、私の頭に目をやったかと思うと今度はこちらの顔を除き、お姉さま方5人に声をかけられた。
「?はい?」
何故、私が声を掛けられたのか分からないまま返事をした。
「ちょっとこっちにきてちょうだい。」
すると手首を掴まれ、グイっと引っ張られていった。
その間に口から漏れる「え、えっ!?」という私の声は無情にも無視され、
気づけば資料室の近くの人通りが多くない場所まで連れられてきたのだ。