はやく気づけ、バカ。

彼女たちの姿が完全に見えなくなった後、


「...っはぁ...」


(なんとかなった?)

安心で肺に貯めこんでいた酸素がふぅ...と口から空気へ漏れる。



「それにしても...」

流石は真島さんだな、と声には出さず心の中で思う。いや、軽く毒づく。


「それに...」

(あれは”質問”なんかじゃなくて、完全に”尋問”でしょう。)

と、心の中で彼女たちにも毒づいた。


(でも...)

あの、リーダー格の人は他の人たちとは少し違った感じだったなあ、とさっきの出来事を振り返り思う。

(...本当に真島さんのことを好きな人なんだな。)

多分そうだ、と一人納得をした。



この一件は、

真島さんがこの会社の中で__いや、もしかすればこの県の中で、

どれほどの関心を女性たちから集めているのかを身をもって体験した一件だった。



(...それにしても、本当にすごい偶然が重なったなぁ。)


__昨日と今日の出来事をすべて思い出していると、ふと、言葉が漏れた。




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