はやく気づけ、バカ。
突然の桐谷くんの変わりように、少し怖いと感じてしまった。
(顔に出しちゃいけない。)
桐谷くんの”それ”には気づかないフリをして答えた。
「私は缶コーヒーを買いに!なんだか飲みたくなっちゃったの!」
桐谷くんはずいっと顔を近づけ、私の顔を覗き込んだ。
(...えっ!?)
「...確かに、甘利先輩ちょっと疲れて見えますけど大丈夫ですか?」
「えっ、あ、うん!大丈夫だよ!!大丈夫!」
桐谷くんは正直、イケメンだ。顔が整ってる。俗にいう甘いフェイスってやつ。
そんな顔が30センチも満たない距離にあったらどうする?!...恥ずかしくて死んでしまいそうだ。
(や、やめてそんなに顔を近づけないで!!)
なんて私は願うけど...