はやく気づけ、バカ。



「そうだよ~今日だけだからさ、なんとかならない?」
私の言葉に嫌な顔もせずに、笑って流してくれて助かった。


...長野さんの普段のキャラからは想像できないけど、もしここで

「は?なに、仕事以外の話はしちゃいけないわけ?」

なんていわれて逆ギレでもされたら空気最悪だったな。と、内心思うのと同時に、大事なことを尋ねる。

「夜、ごはん食べながらですか?」

「うん、ごはん食べながらで。」

(...ながらってことは、ごはんを食べることが目的じゃないし、まあ彼女さんにも大丈夫かな?)

そう用心深く考え、その結論に至ったわたしは長野さんにOKの返事をした。

「わかりました、じゃあ今日は7時くらいに上がれるようにお互い頑張りましょう!」


長野さんを見つめてにこっと笑ってそういうと長野さんも安心したのか

「ありがとうね~甘利ちゃん。それじゃ今日はよろしくね~。」と言葉を残して自分のデスクへと戻っていった。

戻っていった、といっても同じ総務部内のためそんなに私のデスクと長野さんのデスクがめちゃくちゃ離れているわけでもない。





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