はやく気づけ、バカ。

総務部の構図を説明すると、横2列に縦4つのデスクがあり、それを1ブロックと考える。

そして1ブロックずつだいたい1～1.5ｍ程の間を開けてそのブロックが4つ並んでいる。

左からAブロック、Bブロック、Cブロック、Dブロックと名前を付けると、私はAブロック。長野さんはCブロックで、ちなみに桐谷君も同じCブロックだ。


そして私と長野さん、それに桐谷くんも
”日本の正社員のコース区分で、定型的・補助的な業務を行う一般職”ではなく、

”総合的な判断を要する基幹的業務に従事する企業の正社員”だ。 まあ簡単に言うと総合職。


私たち総合職は一般職とは違い、伝票起票や精算処理等の作業などではなく、主にそれ以外のことーー例えば人事の採用の試験をしたりだとか。
そういう一般職ではできないことはすべて総合職が行っている。


（...まあだから総務部でも残業するんだろうなあ...）

一般職と総合職の違いを考えていると、自然となぜ彼女たちは残業なしで私たちは残業があるのかの理由が明確にわかった。
ーー無論、仕事の量、質の違いだ。

もちろん、一般職の方々をばかにしているだとか軽んじているわけではない。一般職には手間がかかるとしたら、総合職は時間がかかるーーそれだけの違いなのだ。



...と、まあもんもんと考え込んでいるうちに短い針は2周したようで、もう午後3時を指していた。


「...っやばい！急がないと！」
そう独り言を呟くと今度は先ほどよりも集中して、仕事にのめりこんだ。