はやく気づけ、バカ。
* * *
会社を出た後、近くの雰囲気のいいお店で食事をとった私たちは、近くにあるジュエリーショップへとやってきた。
食事の時に聞いてみると、どうやらもうすぐ彼女さんと付き合ってもうすぐ一年半を迎えるそうで。
そのプレゼントとしてネックレスを選びたいようだった。...それだけじゃないようなきもするけど。
そう思いながら、目の前にあったネックレスを指さした。
「あ、長野さんこれなんてどうですかね?」
それは、ハートの形をしたチャームが付けられているネックレス。
ハートの真ん中に程よく輝くピンクの宝石らしきものが可愛さを倍増している。
「あ~、かわいいね、うーんでも...」
私が指さしたネックレスを見て頷いたはものの、彼の理想のモノではないようだ。
そして私は思い出したように「あ、」とつぶやくと長野さんがショーケースの中のネックレスから私に、視線を移した。
「?どうしたの甘利ちゃん。」
「わたし、長野さんの彼女さんがどういう感じの方か全く知らないです...。」
私がそういうと「あ~~、そういえばそうだね...」とポツリ。
「写真、いま見せるね。」
そういい彼はスマートフォンをスーツのポケットから取り出し、写真フォルダから一枚のツーショット写真を「はい。」といい私の目の前に提示した。
「っわあ...!」
スマートフォンの画面に映し出されているのはくっついて幸せそうに笑っている長野さんと彼女さんの姿。
初めて見た彼女さんの姿は...一言で言えばその辺のアイドルくらいには勝てるレベルでかわいい。