はやく気づけ、バカ。




(そういえばいま、何時だろう。)
気になって、タンスの上のスマホに手を伸ばした。


ホームボタンをクリックすると現れたのは23時12分と書かれた時計。
(11時か...)
ん、ねるか。と思ったすぐその後、ある物の存在を思い出した。

(......!!メールっ!)
そう、あの宛名なしの変なメール。実は毎日の楽しみになっていたメール。

思いだしたのと同時にーー急いでスマホのロックを解除して、メールBOXを開く。

トップには、未読のマークがついている最新の一通のメール。

「...来てた...。」

メールがきた時刻を確認すると午後9時5分。その時間、何をしていたかなと今日の出来事を思い出してみる。

「...9時5分、真島さんと駅のホームで別れたすぐあとくらいかな...?」

自分に問うようにそうつぶやくと案外しっくりきた。確か、電車が午後9時7分だった。ということも思い出したし多分確実だ。


長い間メールを見てなかったような気がするーー気がするだけで実際昨日来てなかっただけなんだけれども。


そう思うと私は不意に、私は昨日と今日を振り返ってみることにした。



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