REAL


いつもこんな感じでチャイムが鳴るとヒサが起こしてくれる。授業中は起きてますよ。一応。国語や理科の先生は適当だから寝る時もあるけど。


今日もいつも通り何もなく放課後になり部活まで時間がちょっとある。


同じクラスの紫音-シオン-と一緒にジャージに着替えていたら他のクラスのバスケ部が集まってた。


今年入部したのはあたし、紫音、紗羅-サラ-鞠那-マリナ-彩-アヤ-未乃里-ミノリ-のたった6人。小学校の時と何も変わらない。


アップの時間まで1年の廊下でみんなで遊んでたらソウが来た。

「リョウ。母さんが渡してって」
と封筒を渡しとっとと男バスの所に戻ってった。

片岡笙平-カタオカソウヘイ-
同じ小学校でお互いミニバスのキャプテンだったので親が仲良かった。

だから親のいないあたしの面倒を見てくれた。


受け取った封筒には5万入っていてあたしはすぐ返しに行った。




「そぅ!!中身知ってんでしょ!!」

「………」

「いらないって断ったの。大丈夫だって返しといて。」

さっきからソウは黙って受け取ってくれない。
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