REAL
何気に勝ってる…
しかも10点差で…
「リョウ!!ナイス!!!!」
2年の先輩達がハイタッチをしてくれたりした。
ハーフタイムで先生の話を聞き終えた後先輩達とちょっとした話し合いをして3Pが始まろうとした。
メンバーはスタメン。
でなく3年が抜けあたしが入った。
点差をあっという間に20点にし、どんどんメンバーを落としていく。
遂に3年4人にあたしという練習の時のメンバーになった。
先輩達は必死だった。
とにかく自分が目立とうと、
とにかく自分がスタメンに近付こうと。
自分勝手なプレーばかりで点差は徐々に縮まっていく。先生も一向にメンバーを替えようとしない。
こんなんじゃ駄目だ。
先輩がファールした。チームファールは5つ。相手のフリースロー。
「先輩!!!落ち着いてください!!」
そして先輩達に近付いて言った。
「勝ちましょう。先輩。」
1本目のフリースローは落ちた。
3人の先輩がリバウンドに入りあたしは残ったガードの先輩に自分がガードをすると言った。
「はぁ?」
「先輩はフォワードお願いします。得意のドライブからのジャンプショット沢山決めてください!!」
2本目が外れた。
ボールはリングの根っこに当たり大きく弾かれあたしは落下地点に飛び込みボールを取った。
そして左手の人差し指を突き立て挙げた。
「1本。ゆっくりいきましょ。」