月光夜話:朧
●シーン2
SE:蝉の声
ザッザッザッ(石砂利を踏みしめる足音)
龍司「暑っちぃ~~~っ、もう九月だってのにこの暑さかよ~」
父親「ぶつぶつ言ってないでさっさと歩け、龍司」
龍司「へいへい…でも親父、今頃墓参りはないだろ。盆には長野に帰った筈だぜ?」
父親「…京都は死んだ母さんの実家がある…それに今回は墓参りじゃない」
龍司「あそ、…でも俺も、こう見えて結構忙しいんだよな~、仮にも主将が新学期早々部活休んでるってのは―――」
父親「そんな事もあろうかと、ちゃんと用意はしてある。ほら、向かいのバス停を見てみろ」
龍司「――――ん…って、あれはっ!郁美っ !? 」
SE:タッタッタッ(走ってくる郁美)
郁美「はーい、龍司君。小父さん、お久しぶりですっ」
父親「おお~郁美ちゃん、遠路はるばる悪かったね。道、すぐ分かった?」
郁美「はい、ここの人ってみんな親切で。バスは一本しかないし、らくしょーでしたっ★」
父親「そうかー、それは良かった。あっはっはっはっ」
郁美「あははははっ」
龍司「二人で勝手に盛り上がってんじゃねーっ!」
父親「ん?どうした、龍司」
郁美「どしたの?龍司君」
龍司「どしたもこしたもねぇ…何でマネージャーのお前がここに来てるんだよ?他の部員達はっ?」
郁美「あー、みんな練習してるよ、真面目に。誰かと違って驕り高ぶってさぼったりしてませんから」
龍司「ぐっ…言い返せない自分が情けない…」
父親「ま、つまりそーゆー事だ。自称『忙しい主将』が鍛錬をサボらないように、今回特別にお前のお目付けとして来て貰ったわけだ。
学校には私から連絡してある。ほら、お前の防具と竹刀も持ってきてもらったから安心しろ」
郁美「そゆことー♪龍司君、主将専用メニュー組んで来たんで覚悟しててね~」
龍司「…ああ最悪、ど~りで俺や郁美が制服な訳だ…」
父親「当然だ、これは保護者付きの『授業の一環』だからな」
龍司「あ、そ…つか親父、何で郁美がバスで俺達は歩きだった訳?」
父親・郁美『鍛錬だ!』
龍司「…やっぱ最悪…」
ザッザッザッ(石砂利を踏みしめる足音)
龍司「暑っちぃ~~~っ、もう九月だってのにこの暑さかよ~」
父親「ぶつぶつ言ってないでさっさと歩け、龍司」
龍司「へいへい…でも親父、今頃墓参りはないだろ。盆には長野に帰った筈だぜ?」
父親「…京都は死んだ母さんの実家がある…それに今回は墓参りじゃない」
龍司「あそ、…でも俺も、こう見えて結構忙しいんだよな~、仮にも主将が新学期早々部活休んでるってのは―――」
父親「そんな事もあろうかと、ちゃんと用意はしてある。ほら、向かいのバス停を見てみろ」
龍司「――――ん…って、あれはっ!郁美っ !? 」
SE:タッタッタッ(走ってくる郁美)
郁美「はーい、龍司君。小父さん、お久しぶりですっ」
父親「おお~郁美ちゃん、遠路はるばる悪かったね。道、すぐ分かった?」
郁美「はい、ここの人ってみんな親切で。バスは一本しかないし、らくしょーでしたっ★」
父親「そうかー、それは良かった。あっはっはっはっ」
郁美「あははははっ」
龍司「二人で勝手に盛り上がってんじゃねーっ!」
父親「ん?どうした、龍司」
郁美「どしたの?龍司君」
龍司「どしたもこしたもねぇ…何でマネージャーのお前がここに来てるんだよ?他の部員達はっ?」
郁美「あー、みんな練習してるよ、真面目に。誰かと違って驕り高ぶってさぼったりしてませんから」
龍司「ぐっ…言い返せない自分が情けない…」
父親「ま、つまりそーゆー事だ。自称『忙しい主将』が鍛錬をサボらないように、今回特別にお前のお目付けとして来て貰ったわけだ。
学校には私から連絡してある。ほら、お前の防具と竹刀も持ってきてもらったから安心しろ」
郁美「そゆことー♪龍司君、主将専用メニュー組んで来たんで覚悟しててね~」
龍司「…ああ最悪、ど~りで俺や郁美が制服な訳だ…」
父親「当然だ、これは保護者付きの『授業の一環』だからな」
龍司「あ、そ…つか親父、何で郁美がバスで俺達は歩きだった訳?」
父親・郁美『鍛錬だ!』
龍司「…やっぱ最悪…」