月光夜話:朧
SE:バキイィッ(父親を殴る龍司)
龍司「汚ねーぞ、親父っ!俺は見たんだ、その依り代ってヤツがどうなってしまうのか…
郁美を…郁美をあんな風にさせるってのかっ、アンタはっ!」
郁美「くっくっくっ、本当に面白い男だな、貴様は」
龍司「何ぃっ!」
父親「――申し訳ありません、剣一筋に育てたのが、とことん裏目に出るヤツでして…」
龍司「親父ぃっ!」
郁美「龍司よ、あれは依り代の『残り香』じゃ」
龍司「はぁ?…残り…香…?」
父親「そうだ、依り代として長い間、体を借りている間に月の意思はその依り代の型を取り始めるんだ…
そして依り代がその役目を終えた後、月の意思の体となって共に眠りに就く…
―――――新たな依り代が見つかるまで、月の意志を護り続ける…それが残り香だ」
龍司「じゃあ、あの女の人も…もう」
父親「そう、とっくにお役目を果たし、普通の生活に戻っていった筈だ。もっとも千年前の事だから今は生きてはないがな…」
龍司「そしたら、郁美は…」
父親「お前が今回抜け出した魔物を全部退治すれば、元通りだ」
龍司「そ、そういう事は早く言ってくれって…」
父親「言おうとしたんだがな、殴られた」
SE:カバッ(土下座する龍司)
龍司「汚ねーぞ、親父っ!俺は見たんだ、その依り代ってヤツがどうなってしまうのか…
郁美を…郁美をあんな風にさせるってのかっ、アンタはっ!」
郁美「くっくっくっ、本当に面白い男だな、貴様は」
龍司「何ぃっ!」
父親「――申し訳ありません、剣一筋に育てたのが、とことん裏目に出るヤツでして…」
龍司「親父ぃっ!」
郁美「龍司よ、あれは依り代の『残り香』じゃ」
龍司「はぁ?…残り…香…?」
父親「そうだ、依り代として長い間、体を借りている間に月の意思はその依り代の型を取り始めるんだ…
そして依り代がその役目を終えた後、月の意思の体となって共に眠りに就く…
―――――新たな依り代が見つかるまで、月の意志を護り続ける…それが残り香だ」
龍司「じゃあ、あの女の人も…もう」
父親「そう、とっくにお役目を果たし、普通の生活に戻っていった筈だ。もっとも千年前の事だから今は生きてはないがな…」
龍司「そしたら、郁美は…」
父親「お前が今回抜け出した魔物を全部退治すれば、元通りだ」
龍司「そ、そういう事は早く言ってくれって…」
父親「言おうとしたんだがな、殴られた」
SE:カバッ(土下座する龍司)