月光夜話:朧
牙月(回想エコー)「―――――――よいか龍司、これは依り代に何かあった為の鈴代わりじゃ…
  この式神がおれば、ワシは何時でも依り代の危機に目覚める事が出来る…
  何があってもこれを外すことの無いように注意しておくのじゃぞ、おくのじゃぞ、おくのじゃぞ(残響音含む)――――」

龍司「――――とは言えねぇしなぁ…」
郁美「ん?何か言った、龍司君」
龍司「ややややややっ、それはほらアレだっ!
   つまり長旅で郁美のシルクのような髪の毛が痛まないようにっちゅー、アイツの気配りだなっコレは!」
郁美「アイツって?」
龍司「ややややっ、俺俺っ!俺の気配りっ!」
郁美「ふーん…髪の毛って?…横っちょだけ?」
龍司「ややややっ、何か航空力学的に横っちょが一番傷みやすいとか何とか、その(ゴニョゴニョ)…」
郁美「…なーんか怪しいけど…ま、そーゆー事なら有り難く付けとくね、うんっ」
龍司「ふぃ~…だって髪に式神巻いてますなんて、ぜってー言えないもんなぁ…」
郁美「ところで…龍司君…」
龍司「ここここここ、今度は何カナっ !? 」
郁美「お風呂、入ってきてイイ?」
龍司「――――――…行ってらっしゃい…」
郁美「はぁ~いっ」

SE:タッタッタッ、ガラガラ、ピシャッ(襖を閉めて出て行く郁美)

龍司「…ああ、疲れる…ストレス溜まるわー。ホント…怪物より手強いかも、アイツ―――――」

SE:バタッ(倒れこむ龍司)
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