月光夜話:朧
●シーン8
SE:カコーン(猪脅しの音)
龍司「―――――蜘蛛?」
父親「そうだ。おそらく彼女の友達も郁美ちゃんもソイツにさらわれて、その根城である巣に囚われている筈だ」
女将「でも、どうしてあの怪物はここまで娘を追ってきたのでしょうか…」
父親「おそらく、証拠隠滅でしょうな…自分の姿を見られたものは生かしてはおけなかったんでしょう」
女将「そんな、恐ろしい…」
父親「…この糸はヤツが彼女を追跡する為の特殊な『しおり糸』…
こんなものまで使うとはな…――――龍司、今度のヤツは少しばかり知能も働くようだ」
龍司「でも親父、おかしいぜ。ここまでして彼女を追ってきた筈のヤツが、何で郁美をさらって行ったんだ?」
父親「うむ…その事だが―――――お嬢さん、失礼ですが香水の香りがキツイですな…それに化粧品も沢山付けておられる様子…」
女A「…そ、それが…?」
父親「誤解を恐れずに言わせて貰えば、ここまで知能を使ってやって来たにも関わらず、
郁美ちゃんを見た瞬間本能的にヤツは『美味しそうな方』を持って帰ったと―――――」
SE:バシッ(張り倒される父親)
女A「悪かったナ!いちおーアタシも傷つくんだよ!」
女将「お客さん、言いすぎです!」
龍司「…弁護できねぇ…」
父親「しかし、私が不思議なのは郁美ちゃんの方だ。あの鈴が鳴らなかったのはどうしてなんだ、龍司?」
龍司「そういや、昼間は大丈夫だったのに…あっ、ああっ!」
父親「どうしたっ?」
龍司「アイツ、さっき風呂入るって言って出てった…」
父親「――――そりゃあ、外すよなぁ…」
龍司「兎に角親父、一刻も早く見つけないと郁美や他のみんながっ!」
父親「ふっ、その為に私が来たのだ…これを持って行け」
SE:チャリッ(渡されるキー)
龍司「鍵…?」
父親「表にバイクが止めてある、お前の物だ。移動の足が無いと不便だろう」
龍司「親父…恩に着るぜっ!」
龍司「―――――蜘蛛?」
父親「そうだ。おそらく彼女の友達も郁美ちゃんもソイツにさらわれて、その根城である巣に囚われている筈だ」
女将「でも、どうしてあの怪物はここまで娘を追ってきたのでしょうか…」
父親「おそらく、証拠隠滅でしょうな…自分の姿を見られたものは生かしてはおけなかったんでしょう」
女将「そんな、恐ろしい…」
父親「…この糸はヤツが彼女を追跡する為の特殊な『しおり糸』…
こんなものまで使うとはな…――――龍司、今度のヤツは少しばかり知能も働くようだ」
龍司「でも親父、おかしいぜ。ここまでして彼女を追ってきた筈のヤツが、何で郁美をさらって行ったんだ?」
父親「うむ…その事だが―――――お嬢さん、失礼ですが香水の香りがキツイですな…それに化粧品も沢山付けておられる様子…」
女A「…そ、それが…?」
父親「誤解を恐れずに言わせて貰えば、ここまで知能を使ってやって来たにも関わらず、
郁美ちゃんを見た瞬間本能的にヤツは『美味しそうな方』を持って帰ったと―――――」
SE:バシッ(張り倒される父親)
女A「悪かったナ!いちおーアタシも傷つくんだよ!」
女将「お客さん、言いすぎです!」
龍司「…弁護できねぇ…」
父親「しかし、私が不思議なのは郁美ちゃんの方だ。あの鈴が鳴らなかったのはどうしてなんだ、龍司?」
龍司「そういや、昼間は大丈夫だったのに…あっ、ああっ!」
父親「どうしたっ?」
龍司「アイツ、さっき風呂入るって言って出てった…」
父親「――――そりゃあ、外すよなぁ…」
龍司「兎に角親父、一刻も早く見つけないと郁美や他のみんながっ!」
父親「ふっ、その為に私が来たのだ…これを持って行け」
SE:チャリッ(渡されるキー)
龍司「鍵…?」
父親「表にバイクが止めてある、お前の物だ。移動の足が無いと不便だろう」
龍司「親父…恩に着るぜっ!」