月光夜話:朧

●シーン11

SE:しゅううううううっ(変身を解く龍司)

龍司「牙月っ」

SE:フォオオオオンッ(バイクに乗り、駆けよってくる龍司)
   キキィッ

龍司「あれ?アイツらは――――」
牙月「助けが来て、連れて行きおったわ。まぁ、たいした怪我もしとらんし、大丈夫じゃろ」
龍司「…そ、そっか―――――で、お前はっ?大丈夫なのかっ!」
牙月「無論じゃ…しかし、見事な馬じゃのう。コイツは…」
龍司「馬…?ああ、牙月の時代には無かったもんな、バイクは」
牙月「そうか…バイクと言うのか、この鉄の馬は――――懐かしい匂いがするわ…『まほろば』を思い出させよる…」
龍司「まほろば?」
牙月「先代の『龍使い』の愛馬じゃ…強く、誇り高い、真の名馬じゃった…」
龍司「――――よし、今日からコイツは『まほろば』だ!」
牙月「…え?」
龍司「このバイクの名前だよ。うん、そうしよう!」
牙月「―――――――っ!」

SE:ザッザッザッ(歩き出す牙月)

龍司「おい、牙月!どこ行くんだよ?後ろ乗れって――――」
牙月「鍛錬じゃ、押して帰るぞ」
龍司「え、急にちょっと…待てよ、おい牙月っ!…これマジで重いんだって~~~~」
牙月(――――――――ふん、馬鹿で単純な男じゃ…じゃが――――――――――何故か心地良い…)
龍司「待てよ、牙月~~…もぉ、早く郁美に戻ってくれよぉ~~~~~~っ!」


<糸>終幕
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