『星が綺麗なあの場所で。』



「はぁ…はぁ……」




「急いで来なくてもよかったのに、大丈夫?」




走りすぎて莉沙の息が乱れる




「ゆ、ゆうとさ…ん……はぁ…」



「落ち着いてからでいいよ」




少し休み、莉沙の息が整うと優人が切り出す




「約束の日は来れなくてごめん」



深く頭を下げて謝った。




莉沙ちゃんは許してくれるのかな…。





すると莉沙が笑顔で「全然大丈夫だよ!」っと答えた。




それが強がっていることくらい優人にはすぐわかった。





「なんで来れなかったんですか…?」





ずっと聞きたかったことを尋ねる










「あの日、体調を崩して手術してたんだ。手術は成功したけど普通の人より長く生きられないみたいなんだ、だから久しぶりに再会した時は嬉しさを噛み殺したよ…。」





優人は手術のこと、再会したことに運命を感じたこと、冷たく当たって少しでも莉沙を遠ざけようとしたこと、全てを莉沙に話した。





「黙っててごめんね。でも、また莉沙ちゃんと離れて辛い思いをさせるのは嫌だったんだ。」





ずっと静かに聞いていた莉沙の瞳からは涙がこぼれていた




やっぱり私…泣き虫だ……




「でも、すぐにいなくなるわけじゃないじゃん!これから一緒に居て、楽しく過ごして、好きをいっぱい充電すればいいじゃん……!!」




思いを堪えきれずに莉沙が優人に抱きつく



優人は 「ごめん、ありがと」

と言いながら莉沙を優しく抱きしめた。




莉沙がギュッとしながら優人を見つめてこう言った。




「好き?」




優人は莉沙の目を自分に被せてから





「好きだよ」





「なんで目隠すの…!!」





「恥ずいからだわ」





2人はあっという間に時間を過ごした。





「ねえ、優人の命って後どれくらいなの?」





……







「んー、20年か30年くらい」




え?






「え、意外と長いよ!そんなに時間あるならどれだけの思い出増やせると思ってるの!?好きをいっぱい充電できるよ!?」





「長いって翔真にも言われた…w もっと早くに莉沙ちゃんにも言うべだって、絶対莉沙ちゃんなら笑うからって」




好きが溢れそう…顔も熱い……




莉沙が優人を見つめる、すると…




優人が莉沙に顔を近づけて2人の唇が触れ合った。





2人の唇が触れた時、莉沙は辺りを包む綺麗な星に気付いた





「ねぇ!今度は星をバックに2人で写真撮ろうよ!前は私1人だったし!」





「はは…、懐かしいねw 撮ろっか」




カシャッ




「よく撮れた?」




「うん、莉沙ちゃんは相変わらず可愛いね」





莉沙の顔が赤くなった





「改めて莉沙ちゃん、俺と付き合ってくれますか?」





「うん!」




< 15 / 16 >

この作品をシェア

pagetop