『星が綺麗なあの場所で。』
男の子は背は高く、とても優しそうな髪がボサボサの青年だった。
「俺、写真撮るのが好きで!ここなら綺麗に撮れそうだなと思って来たんだけど、邪魔ですか?」
その男の子が尋ねると、莉沙は間もなく答えた。
「全然大丈夫だよ、ここならきっといい写真が撮れると思う。ここから見る星凄く綺麗だから。」
いい人でよかった。そう男の子がホッとしていると、莉沙が尋ねた。
「名前とか聞いてもいい?年齢とか」
そう言われた男の子が答える。
「間宮優人といいます!年齢は18で高校三年生です!」
年齢を聞いた莉沙が驚いた表情を隠せなかった。
え、年上!?
年下だと思ってた、謝らなきゃ!
そう思った莉沙はすぐに謝った。
「全然気にしないでください!それより君はいつもここに来てるの?」
「はい!ここお気に入りで。あと樋口莉沙っていいます、適当に呼んでください!」
しばらく話すと優人が星の写真を撮り始め、それを莉沙が眺めていた。
すると優人が莉沙に話しかける。
「あの、よかったら樋口さんと星を一緒に撮りたいんだけど、だめかな?」
またしても莉沙が驚く。
え?なんで私も撮るの!?
「私と星を一緒に?ってどうしてですか?」
ほんとのことを言うの恥ずかしいんだけどなあ。そう思いつつも優人が答えた。
「答えづらいんですが、樋口さん綺麗な人だから星と合うかなって思いまして。」
その言葉に莉沙の頬が少し赤く染る。
この人素直に答えすぎだよ…、莉沙は優人の言葉に多少照れてしまう。
「やっぱりダメですよね?」
優人が聞くと莉沙はついOKしてしまった。
「それで私はどうしたらいいですか?」
莉沙が尋ねると優人が答える。
「樋口さんは普通に星を眺めててもらって大丈夫です!後は僕が撮るので。」
言葉通り、莉沙はいつもどうりに星を眺める。
ただシャッター音が聞こえてくると少し恥ずかしかった。
「ありがとうございます!凄くいい感じで撮れました!」
「よかったですね!私も役に立てて嬉しいです」
どんな風に撮ったんだろ。
写真が気になったが見せてもらうのも恥ずかしく、莉沙は言い出せなかった。
「僕、今日はもう帰るんですが、この写真を樋口さんにも渡したいのでまたここで会えませんか?」
莉沙は2つ返事でOKしたが、優人は天然なのか連絡先も聞かずにそのまま帰ってしまった。
私も帰ろうかな。
莉沙も優人が帰ってから少しして家に帰った。
「そういえば間宮さんって同じ学校なのかな? 明日、三年生のところ行ってみようかな。」