お兄ちゃん…

「あら…やだぁ
お兄ちゃんたら、よだれ垂らして
くふふふ可愛い…」

グチャグチャグチャ

「あれ?もしかして…
お兄ちゃん寝ちゃった?
お腹から血出てるよ?
私の白いワンピースが今度は
お兄ちゃんの血でまた赤くなったよ。
そうだ!私が手当てしてあげる。
私のやり方でね…
こうすれば治るかな?ペロッ
お兄ちゃんの血美味しいね…
うふふ…」

ポタッポタッ…と
何故か涙が流れてきた瞬間
私は気付いた…

「ねぇ…お兄ちゃん…起きて?ねぇ!!
お兄ちゃん?もしかして死んじゃった?
死んじゃったの?ねぇ…お…お兄ちゃん



あーーーーいやぁぁぁぁぁー!!!!
あぁ…ヴァァァー!!!!
いやいやいやぁぁぁー私がぁぁぁー!」







お…お兄ちゃん…ごめんね…
あ…そうだ…こうすれば…
お兄ちゃんは生きれるかもしれない…
そうよ。こうすれば…。
がりっ…お兄ちゃんのお肉美味しいね。
これで私とお兄ちゃんは
一心同体になれる。
私の中でお兄ちゃんは生きれるんだよ?
私に感謝しないとだね?
お兄ちゃん
私が死んだら一緒に死ねるんだよ?
同時に死ねるんだよ?良かったね?
お兄ちゃん…私のお兄ちゃん
私だけのお兄ちゃん…大好きだよ?
ずっとずっと一緒に居ようね。
死んでも…ずっと…一緒約束だよ?」

私はそう言って…
包丁を刺し確実に死ねるように…
壁に体当たりした。


「グッ…っ…ドンッ!!
ヴッ…あぁ…叶音…お兄ちゃん…」


刺した部分が熱い…痛い
言葉にならない…
私は必死に薄れる意識の中
お兄ちゃんの名前を呼んだ。

最後に見えたのは…
未散と比奈里 苺花の死に顔と…
パパとママとお兄ちゃんと家族4人で
最後に過ごした私の誕生日だった…。

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