お兄ちゃん…
ある日…
「キャー」という悲鳴で
リビングのドアを開けると
妹が俺に抱きついてきた。
柔らかい胸を俺に押しつけて上目使いで
「何か…黒い物体が!!」
と涙目で言ってくる。
妹の言う場所に行くと
玩具の蜚蠊が転がっていた。
「お…お兄ちゃん…
黒い物体どう?消えた?」
と怯えた表情で
ドアの隙間から覗いてくる。
俺は溜め息を吐き玩具の蜚蠊を
ポケットに入れ「消えた消えた」と
妹に笑顔で言った。