【仮面の騎士王】
その瞬間、ロッソの顔からは完全に笑みが消え、するどい眼差しへと変貌した。それは、ケイトリンが今まで見たことのない、執政官長としてのロッソの顔だった。
「お父様?」
「なぜ、突然そんなことを言い出すのだ?」
「それは・・」
ケイトリンは言いよどんだ。もともとロッソにシャンタルの手紙を見せるつもりだったのだが、なぜか話さない方が良いような気がしてならない。それをごまかすために、ケイトリンは街中でのロッソの評判やランベールの死後税金が上がっていることなどを話した。
ロッソは口を挟まず、厳しい顔をしてケイトリンの話を聞いていた。やがて、彼の納得する答えが得られないと知ると、口を開いた。
「ギースのやつに、何を吹き込まれた」
「えっ!?」
「あいつ、お前に何を言ったのだ!」
ロッソは、ケイトリンの両肩を掴んだ。
「お兄様がどうしたというのです。お兄様は関係ありません」
「嘘をつけ。あいつ、やはり知っていたのだな」
ロッソは、ケイトリンの肩を力いっぱい揺さぶると、そのまま彼女を突き飛ばした「あっ!」と声を上げて、ケイトリンは床に転がる。追い打ちをかけるようにロッソの冷たい声が降ってきた。
「ギースの言うことはすべて嘘だ。ファビアン王子と結婚するまでは、誰とも会うことは許さん。頭を冷やせ、ケイトリン」
「お父様?」
「なぜ、突然そんなことを言い出すのだ?」
「それは・・」
ケイトリンは言いよどんだ。もともとロッソにシャンタルの手紙を見せるつもりだったのだが、なぜか話さない方が良いような気がしてならない。それをごまかすために、ケイトリンは街中でのロッソの評判やランベールの死後税金が上がっていることなどを話した。
ロッソは口を挟まず、厳しい顔をしてケイトリンの話を聞いていた。やがて、彼の納得する答えが得られないと知ると、口を開いた。
「ギースのやつに、何を吹き込まれた」
「えっ!?」
「あいつ、お前に何を言ったのだ!」
ロッソは、ケイトリンの両肩を掴んだ。
「お兄様がどうしたというのです。お兄様は関係ありません」
「嘘をつけ。あいつ、やはり知っていたのだな」
ロッソは、ケイトリンの肩を力いっぱい揺さぶると、そのまま彼女を突き飛ばした「あっ!」と声を上げて、ケイトリンは床に転がる。追い打ちをかけるようにロッソの冷たい声が降ってきた。
「ギースの言うことはすべて嘘だ。ファビアン王子と結婚するまでは、誰とも会うことは許さん。頭を冷やせ、ケイトリン」