【仮面の騎士王】
その時、ケイトリンの体からカサッと音がして、レイフは顔を上げた。
ケイトリンの寝衣から、何かが覗いて見えている。ちょうど、胸の谷間に挟んであるように。レイフは不思議に思い、ケイトリンの左手を開放すると、自由になった自分の親指と人差し指でそれをつまみ上げた。
「これは?」
レイフの言葉に、ケイトリンが目を開く。
「あ、それは」
何の変哲もないただの紙切れの中に、自分の名が記されているのを見て、レイフは顔色を変えた。
「これは、なんだ?」
「それは、おそらく母の書いたものです」
「シャンタル叔母上の?」
「はい。あのペンダントの中から出てきたのです」
ケイトリンは少年からその紙切れを受け取った経緯を簡単に説明した。
「なるほど、そういうことか」
レイフは、彼女の拘束を解くと、そのまま寝台の反対側に寝転がり、長く息を吐いた。黒い布で覆われた目の周囲に左腕を置いたため、ケイトリンは彼の表情が全く読めなくなった。
「あの、レイフ様は、そこに書かれている内容をどう思われますか?」
ケイトリンは、上半身を起こすと左隣で横になっているレイフのほうを向いて尋ねた。しかし、レイフは何も答えない。しばらくの間、沈黙がふたりを支配した。
ケイトリンの寝衣から、何かが覗いて見えている。ちょうど、胸の谷間に挟んであるように。レイフは不思議に思い、ケイトリンの左手を開放すると、自由になった自分の親指と人差し指でそれをつまみ上げた。
「これは?」
レイフの言葉に、ケイトリンが目を開く。
「あ、それは」
何の変哲もないただの紙切れの中に、自分の名が記されているのを見て、レイフは顔色を変えた。
「これは、なんだ?」
「それは、おそらく母の書いたものです」
「シャンタル叔母上の?」
「はい。あのペンダントの中から出てきたのです」
ケイトリンは少年からその紙切れを受け取った経緯を簡単に説明した。
「なるほど、そういうことか」
レイフは、彼女の拘束を解くと、そのまま寝台の反対側に寝転がり、長く息を吐いた。黒い布で覆われた目の周囲に左腕を置いたため、ケイトリンは彼の表情が全く読めなくなった。
「あの、レイフ様は、そこに書かれている内容をどう思われますか?」
ケイトリンは、上半身を起こすと左隣で横になっているレイフのほうを向いて尋ねた。しかし、レイフは何も答えない。しばらくの間、沈黙がふたりを支配した。