【仮面の騎士王】
「王は、どうしてそんなにしてまでレイフ様から公爵位を奪おうとしたのですか?」
アルフォンスがレイフから公爵位を奪う理由がケイトリンにはぴんと来なかった。
「多分、彼が横恋慕して、美しいいとこ殿と公の舞踏会で踊ったりなんかするからですよ。王からしたら挑戦状をたたきつけられたと思ったんでしょうね」
フェルナンドは、わざとらしくため息をついた。その間も手はせわしなく動いている。
「せめて、愛の告白くらいきちんとできる大人でいて欲しいものですが」
ぼそりとこぼしたフェルナンドのつぶやきに、レイフが反応する。
「余計なお世話だ! 行くぞ、ケイトリン」
「え? でもまだ、仕事が」
「大丈夫ですよ。私がやっておきますから。それよりレイフ様があなたに大事な話があるようです。あぁ、後で詳しく話をお聞かせくださいね」
フェルナンドは満面の笑みをケイトリンに向けたかと思うと、すぐに口元を結んで、レイフを見下すように流し目を送った。
ちっと舌打ちすると、くるりと背を向けレイフは大股で歩き始めた。「ケイトリン」と呼ばれて、彼女はフェルナンドに軽く会釈すると、小走りでレイフの背中を追った。
アルフォンスがレイフから公爵位を奪う理由がケイトリンにはぴんと来なかった。
「多分、彼が横恋慕して、美しいいとこ殿と公の舞踏会で踊ったりなんかするからですよ。王からしたら挑戦状をたたきつけられたと思ったんでしょうね」
フェルナンドは、わざとらしくため息をついた。その間も手はせわしなく動いている。
「せめて、愛の告白くらいきちんとできる大人でいて欲しいものですが」
ぼそりとこぼしたフェルナンドのつぶやきに、レイフが反応する。
「余計なお世話だ! 行くぞ、ケイトリン」
「え? でもまだ、仕事が」
「大丈夫ですよ。私がやっておきますから。それよりレイフ様があなたに大事な話があるようです。あぁ、後で詳しく話をお聞かせくださいね」
フェルナンドは満面の笑みをケイトリンに向けたかと思うと、すぐに口元を結んで、レイフを見下すように流し目を送った。
ちっと舌打ちすると、くるりと背を向けレイフは大股で歩き始めた。「ケイトリン」と呼ばれて、彼女はフェルナンドに軽く会釈すると、小走りでレイフの背中を追った。