【仮面の騎士王】
ケイトリンが部屋の扉を閉めるのを確認し、マノンは口を開いた。
「レイフ様。いったい、どういうことなのです? なぜ仮面などつけてこの屋敷にいらっしゃるのです。ケイト様をどうなさるおつもりです」
マノンはきれいになった傷口に清潔な布を押し当て、レイフを見上げる。
「お前にはわかるんじゃないのか? どうして俺がこんなことをしているか」
「それは・・。確かにあなたのお父上が亡くなるまでは、あなた様が次の王であろうと誰もが考えておりました。ですが、あなたのお父上は、遺言で自分の弟君を、つまりあなたの叔父上を次の王に指名なさいました。お気持ちはわかりますが、ミルド国では、王の遺言により次の王が指名されて決まることになっておりますから」
「本当にそうだろうか?」
「え? どういう意味でございます?」
「父は、ランベール王は、本当に叔父を、アルフォンスを次の王にと指名したのだろうか」
数拍の沈黙の後、マノンは、レイフの言いたいことを察して青ざめた。
「まさか、レイフ様。アルフォンス王が、偽の遺言を作ったと、そう疑っていらっしゃるのですか」
止血のために傷口を圧迫しているマノンの手がかすかに震える。レイフはマノンの手を脇腹から離して自分の手で押さえると、薄く笑った。
「父は、亡くなる数日前に私を枕元に呼び寄せ、次の王は私だと、はっきりそうおっしゃったのだ」
「あぁ! まさか、そんな」
マノンは両手で口を覆い、信じられないという風に何度も首を振った。
「レイフ様。いったい、どういうことなのです? なぜ仮面などつけてこの屋敷にいらっしゃるのです。ケイト様をどうなさるおつもりです」
マノンはきれいになった傷口に清潔な布を押し当て、レイフを見上げる。
「お前にはわかるんじゃないのか? どうして俺がこんなことをしているか」
「それは・・。確かにあなたのお父上が亡くなるまでは、あなた様が次の王であろうと誰もが考えておりました。ですが、あなたのお父上は、遺言で自分の弟君を、つまりあなたの叔父上を次の王に指名なさいました。お気持ちはわかりますが、ミルド国では、王の遺言により次の王が指名されて決まることになっておりますから」
「本当にそうだろうか?」
「え? どういう意味でございます?」
「父は、ランベール王は、本当に叔父を、アルフォンスを次の王にと指名したのだろうか」
数拍の沈黙の後、マノンは、レイフの言いたいことを察して青ざめた。
「まさか、レイフ様。アルフォンス王が、偽の遺言を作ったと、そう疑っていらっしゃるのですか」
止血のために傷口を圧迫しているマノンの手がかすかに震える。レイフはマノンの手を脇腹から離して自分の手で押さえると、薄く笑った。
「父は、亡くなる数日前に私を枕元に呼び寄せ、次の王は私だと、はっきりそうおっしゃったのだ」
「あぁ! まさか、そんな」
マノンは両手で口を覆い、信じられないという風に何度も首を振った。