【仮面の騎士王】
凛とした声が、レイフの鼓膜を揺らす。レイフが言葉を発する前に、ケイトリンが立ち上がった。


「マノン。悪いけれど、温かいお茶を入れてくれないかしら。この方、ずいぶんと体が冷えてしまっているから」


「わかりました。では、ケイト様の分も入れてまいりましょう」


 マノンは、レイフの脱いだ洋服や汚れた布を手早く片付けながら、レイフに目をやった。お互いの視線がわずかに交差したが、マノンは「すぐに戻ります」と言葉を残して、部屋を後にした。



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