【仮面の騎士王】
「夢ではなかったのですね」
「夢?」
「昨夜のことが全部夢かと思って」
「では、俺の顔を思い切り叩いてみるか? 存在しているかどうか」
「えぇっ!?」
「冗談だ」
レイフの口元が笑みを刻んだのを見て、ケイトリンの鼓動がほんの少し早くなる。
「俺は、気を失いでもしたか? お茶を飲んだところまではうっすら記憶にあるんだが」
「い、いえ。あの、実は・・」
自分の行為を咎められたような気がして、ケイトリンはわずかに言いよどんだ。お茶に痛み止めを入れたのはマノンだ。しかし、その後、マノンの反対を押し切って自分の寝台に彼を寝かせたのはケイトリンだった。
「お茶に痛み止めを入れたんです。とても良く効くお薬なんですけど、少し眠くなる作用があって。それに、怪我のせいか雨に打たれたせいかわかりませんが、眠ってからかなり高い熱が出て」
「そうか。世話になったな」
ケイトリンが上目づかいにレイフを見ると、彼は視線を逸らした。
「仮面を」
「え?」
「仮面を外して、素顔を見ようとは思わなかったのか?」
「夢?」
「昨夜のことが全部夢かと思って」
「では、俺の顔を思い切り叩いてみるか? 存在しているかどうか」
「えぇっ!?」
「冗談だ」
レイフの口元が笑みを刻んだのを見て、ケイトリンの鼓動がほんの少し早くなる。
「俺は、気を失いでもしたか? お茶を飲んだところまではうっすら記憶にあるんだが」
「い、いえ。あの、実は・・」
自分の行為を咎められたような気がして、ケイトリンはわずかに言いよどんだ。お茶に痛み止めを入れたのはマノンだ。しかし、その後、マノンの反対を押し切って自分の寝台に彼を寝かせたのはケイトリンだった。
「お茶に痛み止めを入れたんです。とても良く効くお薬なんですけど、少し眠くなる作用があって。それに、怪我のせいか雨に打たれたせいかわかりませんが、眠ってからかなり高い熱が出て」
「そうか。世話になったな」
ケイトリンが上目づかいにレイフを見ると、彼は視線を逸らした。
「仮面を」
「え?」
「仮面を外して、素顔を見ようとは思わなかったのか?」