【仮面の騎士王】
第2章:仮面の掟
[第2章:仮面の掟]
ケイトリンがレイフと出会った嵐の夜から1週間が過ぎた。
少女ならだれでも夢見るような繊細なレースやリボンの装飾の施された正装用のドレスを身にまといながら、ケイトリンは軽くため息をついた。
「マノン。やっぱり行かなくてはダメよね?」
「ケイト様。月に一度の宮廷舞踏会なのですよ。しかも、本日の舞踏会は、あなた様のお披露目のために開かれるようなものなのですから」
ケイトリンの大きな瞳が懇願するようにマノンを見つめるが、さすがに今日は彼女のわがままが許されるはずはなかった。
アルフォンス王の即位以来、それまで年に一度だった宮廷舞踏会は、月に一度の恒例行事になっており、主だった貴族は参加が義務付けられている。ケイトリンはまだ母親が存命だったころに何度か宮廷に連れられて行ったことはあったが、宮廷舞踏会に参加するのはこれが初めてだった。
そして、おそらく今夜の主人公はケイトリンになるはずだった。アルフォンス王の長子、ファビアン王太子との婚約が正式に発表されることになっていたからだ。
ケイトリンがレイフと出会った嵐の夜から1週間が過ぎた。
少女ならだれでも夢見るような繊細なレースやリボンの装飾の施された正装用のドレスを身にまといながら、ケイトリンは軽くため息をついた。
「マノン。やっぱり行かなくてはダメよね?」
「ケイト様。月に一度の宮廷舞踏会なのですよ。しかも、本日の舞踏会は、あなた様のお披露目のために開かれるようなものなのですから」
ケイトリンの大きな瞳が懇願するようにマノンを見つめるが、さすがに今日は彼女のわがままが許されるはずはなかった。
アルフォンス王の即位以来、それまで年に一度だった宮廷舞踏会は、月に一度の恒例行事になっており、主だった貴族は参加が義務付けられている。ケイトリンはまだ母親が存命だったころに何度か宮廷に連れられて行ったことはあったが、宮廷舞踏会に参加するのはこれが初めてだった。
そして、おそらく今夜の主人公はケイトリンになるはずだった。アルフォンス王の長子、ファビアン王太子との婚約が正式に発表されることになっていたからだ。