【仮面の騎士王】
ケイトリンは、どうしてギースがこの子どもたちを知っているのか疑問に思いながらも、集まった子どもたちに順番にパンを手渡した。両手に抱えるほどあったものが、あっという間に空になる。
幸せそうにパンをかじる子どもの様子を見て、ケイトリンは微笑んだが、その足元に視線を移すと、輝いていた青い瞳を曇らせた。
どの子どもも裸足だ。靴を履いている子どももいなくはないが、左右の大きさがちぐはぐだったり、穴が開いてぼろぼろになっている。
「この子どもたちは、なぜ裸足なのですか? それにこんなに大勢」
――みな、親が死んだり、捨てられたりした子どもたちだ。行き場がなくなったのをこの教会で面倒をみている。
「え? お兄様がですか?」
――いや、友人がね。それで、時々ここで手伝いをしているんだ。食料が優先だし、服はお下がりなんかでなんとかなるんだけど、靴までは手が回らなくてね。
「そうだったのですね。教えてくだされば私もお手伝いしましたのに」
ギースの意外な一面を知り、ケイトリンはうれしかった。
「お姉ちゃん! 名前は?」
「ねぇ、一緒に遊ぼう!」
「こっち、こっち!」
ケイトリンは、両手を子どもたちに引かれて、よろめきながら立ち上がった。ギースはと振り返れば、やはり同じように子どもたちに囲まれて遊びをせがまれているようだ。ケイトリンは、少し楽しくなって笑顔を見せた。
「私の名前は、ケイトリンよ。よろしくね」
「ケイトリンだって! ファビアン王太子の婚約者と同じ名前だぞ! じゃあ、お前は、悪者の役な!」
幸せそうにパンをかじる子どもの様子を見て、ケイトリンは微笑んだが、その足元に視線を移すと、輝いていた青い瞳を曇らせた。
どの子どもも裸足だ。靴を履いている子どももいなくはないが、左右の大きさがちぐはぐだったり、穴が開いてぼろぼろになっている。
「この子どもたちは、なぜ裸足なのですか? それにこんなに大勢」
――みな、親が死んだり、捨てられたりした子どもたちだ。行き場がなくなったのをこの教会で面倒をみている。
「え? お兄様がですか?」
――いや、友人がね。それで、時々ここで手伝いをしているんだ。食料が優先だし、服はお下がりなんかでなんとかなるんだけど、靴までは手が回らなくてね。
「そうだったのですね。教えてくだされば私もお手伝いしましたのに」
ギースの意外な一面を知り、ケイトリンはうれしかった。
「お姉ちゃん! 名前は?」
「ねぇ、一緒に遊ぼう!」
「こっち、こっち!」
ケイトリンは、両手を子どもたちに引かれて、よろめきながら立ち上がった。ギースはと振り返れば、やはり同じように子どもたちに囲まれて遊びをせがまれているようだ。ケイトリンは、少し楽しくなって笑顔を見せた。
「私の名前は、ケイトリンよ。よろしくね」
「ケイトリンだって! ファビアン王太子の婚約者と同じ名前だぞ! じゃあ、お前は、悪者の役な!」