【仮面の騎士王】
第4章:仮面の呪い
[第4章:仮面の呪い]
「ケイト様、まさか、また徹夜なさったのではないでしょうね?」
マノンはケイトリン部屋の窓を開けながら、疲れた様子の彼女を見て眉根を寄せた。朝日に照らされたケイトリンの目の下にはうっすらと隈が出来ている。
「徹夜ではないわ。ちょっと夜遅くまで起きていただけよ」
ケイトリンは微笑みながら、縫いかけた皮製の靴を後ろ手に隠した。実際、この数日ケイトリンはほとんど眠っていなかった。
「まったく。いくら縫い物が得意なケイト様でも、何人もの子どもの靴を縫うなんて、そんなに簡単にいきませんよ」
そう言いながら、マノンは一足の小さな靴をケイトリンに手渡した。なめした豚の皮を縫い合わせて作った簡易的なもので、貴族が履いているブーツほど丈夫ではなかったが、足底は2重になっている。
「マノン、これ!」
途端に、ケイトリンは目を輝かせる。
「孤児の子どもたちのために、靴を作られているのでしょう? 私も、お手伝いいたしますから、徹夜はおやめください。いいですね?」
ケイトリンは、ベッドから降りると無邪気にマノンに抱きついた。
「ありがとう! マノン、大好きよ」
「はいはい、わかりました。さて、そろそろ起きてお支度をなさらないと、遅れてしまいます」
「遅れる?」
「今日は、花嫁衣裳の採寸の日でございますよ。城へ上がるよう言われていたのをお忘れですか?」
「いけない! すっかり忘れていたわ」
ケイトリンは寝台から飛び起きると、大急ぎで身支度を整えた。
「ケイト様、まさか、また徹夜なさったのではないでしょうね?」
マノンはケイトリン部屋の窓を開けながら、疲れた様子の彼女を見て眉根を寄せた。朝日に照らされたケイトリンの目の下にはうっすらと隈が出来ている。
「徹夜ではないわ。ちょっと夜遅くまで起きていただけよ」
ケイトリンは微笑みながら、縫いかけた皮製の靴を後ろ手に隠した。実際、この数日ケイトリンはほとんど眠っていなかった。
「まったく。いくら縫い物が得意なケイト様でも、何人もの子どもの靴を縫うなんて、そんなに簡単にいきませんよ」
そう言いながら、マノンは一足の小さな靴をケイトリンに手渡した。なめした豚の皮を縫い合わせて作った簡易的なもので、貴族が履いているブーツほど丈夫ではなかったが、足底は2重になっている。
「マノン、これ!」
途端に、ケイトリンは目を輝かせる。
「孤児の子どもたちのために、靴を作られているのでしょう? 私も、お手伝いいたしますから、徹夜はおやめください。いいですね?」
ケイトリンは、ベッドから降りると無邪気にマノンに抱きついた。
「ありがとう! マノン、大好きよ」
「はいはい、わかりました。さて、そろそろ起きてお支度をなさらないと、遅れてしまいます」
「遅れる?」
「今日は、花嫁衣裳の採寸の日でございますよ。城へ上がるよう言われていたのをお忘れですか?」
「いけない! すっかり忘れていたわ」
ケイトリンは寝台から飛び起きると、大急ぎで身支度を整えた。